2015年04月22日

太った豚と痩せたソクラテス。

今年三月の東大教養学部の卒業式で石井洋二郎学部長が挨拶の中で、
かつて60年代安保の頃に東大総長であった大河内一男が話した挨拶を取り上げて話題だ。
その内容は、「太った豚になるより、痩せたソクラテスになれ」という名言にまつわる話で、後々にまで語り継がれた伝説の挨拶なのだけれども、
石井氏は、自らの大学総長が言ったことが間違いであったことを明かして話題になっているのだ。
「太った豚になるより、痩せたソクラテスになれ」は、大河内氏が語ったということで伝説化されたのだが、ここには3つンも間違いがあるというのだ。
ひとつ目は、これは大河内氏の言葉ではなく、J.S.ミルの言葉であること。二つ目は、実際にミルが言った言葉とはかなり違っていること。三つ目は、実はこの話は原稿には書かれていたのに、実際には語られなかったということです。後にマスコミが原稿を入手して語ったことになったというのだ。

石井学部長は、この話でなにが言いたかったかというと、
東大の情報でもこんなものだ。世の中にはこのようなことはたくさんある。
だから、情報については、自ら一次情報を調べた上で考えなければならない。
といった趣旨のことで、石井学長自身の好きな言葉として、
ドイツの思想家、ニーチェの『ツァラトゥストゥラ』に出てくる言葉が最後に紹介された。

「きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!」

さらにすばらしいのは、このニーチェの言葉が本当にニーチェが言ったのかどうか、自分で調べてみることだ。私が冗談を言っているのかもしれないから、と、自らの発言さえ信じるなと言っていることだ。私自身は、以上の話を大竹まことのポッドキャストに出演していた深沢真希さんのお話で知ったことで、すべては彼女の受け売り。また、深沢さん自身も、自分が言っていることは、疑って罹るように自身が受け持つ学生たちにも常々言っていると言います。そして、私自身も人の言うことは鵜呑みにしないように日頃から気をつけているのですが……                          ふみみ

実際の石井氏の式辞は下記


<J.S.ミルの著書からの引用>
J.S.Mill ”Utilitarianism”より。(J.S.ミル「功利主義論」、「世界の名著38」収録) chapter II "What Utilitarianism Is"(第2章「功利主義とは何か」)
"It better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied." 
実際の訳は「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい。」(関義彦訳,世界の名著38,中央公論社,1967)というものを大河内が意訳して式辞に使ったということです



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タグ:オモシロイ
posted by ふみみ at 13:14 | 大阪 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | フィロソフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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